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LINEミニアプリのメリット・デメリットとは? 活用事例も合わせて解説

店舗運営のデジタル化・DX化が進む昨今、独自の店舗アプリを作る企業が増えています。しかし、一般的な店舗アプリ(ネイティブアプリ)はダウンロードへのハードルが高く、アンインストールもされやすいのが大きな課題です。そこで、ネイティブアプリに代わって導入が進んでいるのがLINEミニアプリです。

本記事では、LINEミニアプリの概要やメリット・デメリット、LINEミニアプリで使える機能や実際の活用事例もあわせてご紹介します。

LINEミニアプリとは?

LINEミニアプリとは、LINEアプリの中で動くWebアプリのことを指します。店舗や企業の独自サービスをLINE内で展開できるサービスです。

店舗独自のアプリを新たにダウンロードする必要がないため、ユーザーに利用してもらいやすいという大きなメリットがあります。

主にデジタル会員証、予約管理、モバイルオーダーなどの機能が使えるほか、LINE公式アカウントと連携しているため、届いたメッセージからミニアプリを起動することもできます。もともとポイントカードの文化が根付いている、専門小売店(化粧品やアパレルなど)での導入が増えています。

内部リンク:「LINEミニアプリとは」

ミニアプリとは

そもそもミニアプリとは、スーパーアプリと呼ばれる大きなプラットフォーム的アプリの中で動くアプリ(今回でいうとLINEを指す)のことを言います。
スーパーアプリはその中にメッセージや決済、送金、ソーシャルメディア、タクシーの手配、飛行機やホテルの予約、Eコマースなどスマホで行うさまざまなサービスが入っているため、個別にアプリをダウンロードする手間やパケットが必要ないことがユーザーにとっての大きなメリットです。

これまで、店舗は独自のアプリ(ネイティブアプリ)を開発し、会員証などとして使う場合は毎回ユーザーにダウンロードしてもらうのが一般的でした。しかし、ミニアプリの登場で、新たにアプリをダウンロードする必要がなく、導入のハードルが低く会員数を増やしやすいことから、利用する企業が増えています。

LINEミニアプリのメリット

では、LINEミニアプリを使うことでどんなメリットがあるのでしょうか。ここでは、6つのポイントをご紹介します。

利用者数を増やしやすい

LINEミニアプリは別で新規アプリをダウンロードする必要がないことから、ネイティブアプリと比べて利用のハードルが低いです。そのため、利用してもらいやすく削除されにくいという大きなメリットがあります。

ブロックを気にしない運用が可能

LINE公式アカウントはブロック機能があり、ブロックされるとメッセージを届けることができません。
しかし、LINEミニアプリでは「LINEミニアプリのお知らせ」というアカウントからメッセージを届けることが可能です。
例えば「ポイントの有効期限が近づいています。」など、必ず見てもらいたいメッセージを全ユーザーに届けることができるため、リピートを促す施策に活用できます。
ブロックを気にすることなく運用できることは、店舗現場での混乱も少なくなり、メリットと言えるでしょう。

ユーザーの分析を踏まえた施策が打てる

LINEミニアプリとLINE公式アカウントを連携することで、ユーザーの属性に合わせてクーポンを配布したり、新商品を告知したり、キャンペーンでポイントを付与したりできます。
利用するLINEミニアプリによっては、POSシステムと連携して顧客情報を一元管理することもでき、購入履歴や利用履歴など、ユーザーを詳細に分析することが可能です。

ユーザーの利便性が向上する

紙やプラスチックの会員証では、財布がかさばる、持ち歩きが大変などユーザーの利便性が低いことが大きな課題でした。しかし、LINEミニアプリのデジタル会員証を使えば、LINEの中に会員証をまとめられます。
また、LINE公式アカウントからの配信により、店舗からのキャンペーン、クーポンなどの有益な情報を得やすくなるのもユーザーにとってメリットになるでしょう。

アプリ開発のコストを抑えられる

一から店舗アプリを作るネイティブアプリと比べ、LINEミニアプリにはさまざまなパッケージが存在するため開発費用を抑えやすいというメリットもあります。
ネイティブアプリをゼロから開発しようとすると一般的に数百万のコストがかかりますが、LINEミニアプリのパッケージを使えば数万〜数十万から開発することが可能です。

公式アカウントとの連動で案内を効率化できる

LINE公式アカウントと連動すれば、販売促進などのメッセージを簡単に発信できます。メッセージをリピーターへ集中的に出していくこともできるため、販売促進費を最適化できるでしょう。

LINEミニアプリのデメリット

前述のようにメリットの多いLINEミニアプリですが、デメリットもあります。ここでは、3つのポイントに絞ってデメリットを解説します。

独自性を出しにくい

特にパッケージ版を利用する場合、コストは抑えやすい反面、一般的な店舗アプリ(ネイティブアプリ)のように店舗の独自性を出しにくいというデメリットがあります。LINEというプラットフォーム上で動くため、機能上の制限も多く、他のアプリと差別化するのが難しいのが第一のデメリットです。

一定のコストがかかる

LINEミニアプリも、一般的な店舗アプリ(ネイティブアプリ)と比べれば開発費用を抑えられるとはいえ、初期費用や月額費用がかからないわけではありません。そのため、コストがゼロになるわけではないことに注意しましょう。

LINEに依存してしまう

LINEミニアプリはLINE内で機能するため、LINEユーザー以外にはリーチできません。そのため、LINEに否定的な印象を持つ人にはアプローチできないほか、スマホを無くしてLINE IDが変わってしまうと会員証も発行し直しになってしまうことがデメリットになりえます。

LINEミニアプリで使える機能

LINEミニアプリでは、主にデジタル会員証、予約管理、モバイルオーダーの3つの機能が使えます。それぞれの機能について見ていきましょう。

デジタル会員証

LINEミニアプリでは、デジタル会員証をLINE上で発行・管理できます。紙やカードの会員証を印刷するコストを削減し、ユーザーの紛失や忘れなども防ぐことが可能です。また、POSシステムと連動させれば、紙やカードの会員証では手間がかかった顧客情報との紐づけも容易になります。

予約管理

予約管理機能を使えば、ユーザーはLINEミニアプリ上で簡単に予約をとれます。予約完了、次回予約日通知などのメッセージ配信も自動で行えるため、リマインダーにも便利です。マイページから予約の変更、キャンセルなどもできます。

モバイルオーダー

LINEミニアプリを使えば、店内、店外両方からモバイルオーダーを受け付けられます。

・店内…ユーザーがテーブルについてQRコードを読み込むと、LINE上に注文ページが開かれ、メニューをオーダーできる
・店外…テイクアウトの予約や事前注文ができる

いずれも直感的に操作できるようなデザインになっているため、幅広い年代のユーザーが使いやすいです。モバイルオーダーなら、店員を呼ぶ手間やスタッフが注文を取りに行く手間が削減できるため、ユーザーの利便性向上とオペレーションコストの削減が同時に叶えられるでしょう。

LINEミニアプリを活用した事例

株式会社アールベイカーでは、「LINE連携システムEDWARD(エドワード)」を使い、LINEミニアプリのデジタル会員証を導入。LINE公式アカウントの開設と同時にデジタル会員証を実装したところ、運用開始から3ヶ月でLINEの友だち数は1万人を突破しています。

EDWARDを介してPOSレジと連携させることで、LINE公式アカウントで取得した会員データと、POSレジで取得した購買データを紐づけられるようになりました。この機能を生かし、今後は購買データに基づいてターゲットを絞ったセグメント配信も行っていきたいとのことです。

LINE連携システムEDWARD(エドワード)はこちらから

その他の活用事例は、以下の記事で詳しくご紹介しています。ぜひ、あわせてご覧ください。
「lineミニアプリ 事例」

まとめ

LINEミニアプリとは、スーパーアプリであるLINEの中で動くアプリのことです。LINEミニアプリには利用者数を増やしやすい、ユーザーの利便性向上、アプリの開発コスト削減などのメリットがある反面、店舗の独自性が出しにくい、LINEユーザー以外へのアプローチが難しいなどのデメリットもあります。

しかし、老若男女ともにユーザー数の多いLINE上で動くアプリケーションは利用のハードルが低く、公式アカウントの友だち数を増やすことにもつながるため、費用対効果を得やすいと考えられます。今回ご紹介した事例を参考に、デジタル会員証やポイントカードとしてLINEミニアプリを導入してみてはいかがでしょうか。