北海道デジタル&コンサルティング(株)

LINEミニアプリとは? 導入メリットやデメリット、実際の活用事例を解説

デジタル化の促進や顧客体験の向上を目的として、アプリを活用してさまざまなサービスを提供する店舗が増えています。

しかし、オリジナルアプリの場合、ダウンロードされづらい点や使用しない期間が長くなるとアンインストールされやすい点が課題となります。そこで注目を集めているのが、LINEミニアプリです。

今回は、LINEミニアプリの概要やLINE公式アカウントとの違い、導入メリット・デメリット、企業の活用事例をご紹介します。

LINEミニアプリとは?

LINEミニアプリとは、LINEアプリの中で動くWebアプリのことを指します。店舗や企業の独自サービスをLINE内で展開できるため、店舗独自のアプリなどを新たにダウンロードする必要がないのが大きな特徴です。

LINEミニアプリとLINE公式アカウントの違い

LINEミニアプリは、デジタル会員証やモバイルオーダー、予約管理など店舗運営に必要な機能を提供するサービスです。そのため、店舗運営の業務効率化、コスト削減などが期待でき、顧客体験の向上にもつなげられます。

一方、LINE公式アカウントはLINE上で企業や店舗が無料でアカウントを開設できるものです。LINEのSNS機能を活用し、友だち追加してくれたユーザーに直接情報を届けることができます。ユーザーの質問にチャットで答えたり、新商品の告知やクーポンの配信をしたりすることも可能です。

LINEミニアプリと通常のアプリ(ネイティブアプリ)との違い

では、LINEミニアプリとネイティブアプリにはどのような違いがあるのでしょうか。ここでは大きな違いとなる、開発費用とアプリダウンロードの2つに絞って解説します。

開発費用について

ネイティブアプリを開発・リリースしようとなると、ある程度まとまったコストがかかります。一般的な店舗アプリの場合、2〜300万円程度が相場とされています。しかも、iOSとAndroid両方の開発を行わなくてはならず、集客のためにアプリストア最適化をする必要もあるため、どうしても相場より高くなりやすいのが現状です。

一方、LINEミニアプリなら、各開発会社によって既に用意されたパーツを組み合わせる「パッケージ型」の開発であれば約10万円程度で開発できます。複雑な機能は必要なく、デジタル会員証やモバイルオーダーが使えればよい、という場合はパッケージ型で十分でしょう。

アプリダウンロードについて

ネイティブアプリの場合、ユーザー側で新たにアプリをダウンロードしてもらわなくてはなりません。ダウンロードのために時間や通信量を消費して、余計な手間がかかってしまいます。

特に、格安SIMを使ったSIMフリー端末では、通信が混み合う時間帯になるとダウンロードしにくい状況となるため、ネイティブアプリのダウンロードを嫌がられることが多くなっています。

また、ダウンロード後すぐに個人情報の入力が必要なケースが多いでしょう。その上、利用頻度が低いとアンインストールされてしまうため、その後も継続して利用してもらう対策が必要です。

一方、LINEミニアプリは、LINEアプリ内にサービスを展開するため、店舗独自のアプリをわざわざダウンロードする必要はありません。

店頭やホームページ上に設置されているORコードを読み取れば、数タップで利用が可能です。余計な手間や時間がかからないため、ユーザーの利便性向上につながるでしょう。

LINEミニアプリでできること

次に、LINEミニアプリの導入によって実現できる機能やサービスをご紹介します。

デジタル会員証

LINEミニアプリでは、LINE上で会員証の発行・管理が可能です。

デジタル会員証はQRコード読み込みで簡単に会員証を発行できるほか、バーコード画面を表示してポイント付与できたり、クーポンを発行・管理したりすることが可能です。

 

また、POSシステムと連動させれば、紙やカードの会員証では容易ではなかった顧客情報との紐づけも簡単になります。紙やカードの会員証で発生していた印刷するコストを削減し、ユーザーの紛失や忘れなども防止できるでしょう。

 

顧客情報と予約機能を合わせて、LINE公式アカウントから予約前日にメッセージを配信することで、直前のキャンセルを防ぐといった使い方も可能です。

デジタル会員証を利用することで、マーケティング施策やユーザーの利便性向上、経費削減にもつながるでしょう。

⇒LINE連携システム(デジタル会員証)「EDWARD(エドワード)」の詳細はこちら
https://hokkaido-dc.com/digital/edward/

予約管理

予約管理とは、整理券や紙で順番待ちを行う代わりに、LINEミニアプリ上で入店の順番管理を行う機能です。コロナ禍で密を避けるためにも、予約管理の需要は増えています。

ユーザーが混雑を避けて来店したり、順番が来る前にLINEでリマインド通知を送って機械損失を防いだりすることができるでしょう。

モバイルオーダー(店内注文)

モバイルオーダーは、主に飲食業界で活用されています。ユーザーがテーブルについてQRコードを読み込むと、LINE上に注文ページが開かれ、メニューをオーダーできるというものです。直感的に操作できるようなデザインになっているため、幅広い年代のユーザーが使いやすくなっています。

モバイルオーダーを使えば、店員を呼ぶ手間やレジの列に並ぶ手間が減り、ユーザーの利便性向上につながります。また、店舗側もスタッフが注文を取りに毎回席に行く負担や、オーダーミスなどのヒューマンエラーを減らすことができます。業務効率化が実現すれば、空いたリソースを他の業務に活用することもできるでしょう。

モバイルオーダー(テイクアウト)

モバイルオーダーは、テイクアウトでも活用されています。店外からテイクアウトの予約や事前注文ができるほか、POSシステムと紐づけることで顧客情報を管理することが可能です。ユーザーの利便性と店舗の業務効率化の双方を両立させ、売上アップに繋げられるでしょう。

LINEミニアプリを導入すると、上記のような機能を店舗に実装できます。

LINEミニアプリを導入するメリット・デメリット

ここでは、LINEミニアプリの導入によって考えられるメリットとデメリットをご紹介します。

メリット

LINEミニアプリのメリットには、以下の5つが考えられます。

LINEミニアプリ利用者を増やしやすい

LINEミニアプリは、ネイティブアプリと比べて利用のハードルが低いことが大きなメリットです。

実際に、あるコーヒーチェーンの事例では、1年間で680万人の友だちを獲得し、LINEの会員証も2ヶ月半で100万枚を突破しました。まだコーヒーチェーン店で買うことに馴染みがない新規ユーザーの獲得に、LINEミニアプリのデジタル会員証を活用しています。

詳細なユーザー分析が可能になる

LINEミニアプリを使えば、POSシステムと連携して顧客情報を一元管理し、詳細なユーザー分析ができるようになります。購入履歴やユーザー属性の分析に役立つでしょう。

ユーザーに合わせた販促施策を実施できる

前述の詳細なユーザー分析により、ユーザーの属性に合わせたセグメント配信ができます。例えば、「1回以上来店したことがある人」に焦点を絞って再来店の割引クーポンを配信すれば、「また行ってみようかな」と思ってもらいやすいでしょう。

アプリ開発のコストを削減できる

前述のネイティブアプリとの違いの章でもご紹介したように、LINEミニアプリの開発費用はネイティブアプリよりも抑えられる傾向にあります。特に、パッケージ型を利用すれば開発費用をぐっと抑えられるでしょう。

さまざまな業界・業種に特化したサービスが提供されている

LINEミニアプリは、モバイルオーダーは飲食店に、順番待ちは小売業界や医療クリニックに、など、さまざまな業界・業種に特化したサービスが提供されています。

 

デメリット

LINEミニアプリは、LINEという大元のアプリの中で機能するものです。そのため、「LINEユーザー以外は使えない」「LINEに否定的な印象がある方は使いたくない」「スマホを無くした時などにLINE IDが変わってしまう」という、良くも悪くもLINEに依存してしまうことがデメリットだと言えます。

LINEミニアプリの導入には、上記のようなメリット・デメリットがあります。

LINEミニアプリの導入事例

最後に、LINEミニアプリの導入事例について、機能ごとに解説します。

デジタル会員証

あるベーカリーカフェでは、LINE公式アカウント開設と同時にLINEミニアプリによるデジタル会員証を導入しました。これにより、運用開始から3ヶ月で友だち登録は1万人を突破。

さらに、LINE連携システム「EDWARD(エドワード)」を活用し、POSレジとLINE公式アカウントを連携することで、LINE公式アカウントから取得した会員データと、店舗にあるPOSレジから取得した購買行動データの紐づけが可能です。

お客様にあわせた販促ができるよう、管理・運用しています。

モバイルオーダー

ある飲食店では、食べ放題の新サービスを開始するタイミングと同時に、LINEミニアプリを導入しました。

これにより、ユーザーの利便性が向上、スタッフの業務効率化も実現。POSレジとの連携で注文履歴から会計ができるようになり、打ち間違いなどのミスも減りました。

順番待ち

ある牧場リゾートでは、順番待ちサービスとしてLINEミニアプリを導入しました。順番待ちの発券時にメニュー予約ができる機能も追加したところ、店舗オペレーションがぐっとスムーズに。

LINEミニアプリを導入した後、LINE公式アカウントの友だち数が2倍以上に増えただけでなく、ブロック率も15%程度に抑制できました。

事例からわかるように、LINEミニアプリではデジタル会員証やモバイルオーダー、順番待ちなど、オペレーションの効率化やユーザー体験の向上が可能です。

 

まとめ

LINEミニアプリはLINEアプリの中で動くWebアプリのことです。デジタル会員証、モバイルオーダー、順番待ちなどの機能を持たせ、店舗運営の効率化やユーザーの利便性向上がはかれます。

良くも悪くもLINEに依存してしまうデメリットはありますが、LINEを利用している会員数は圧倒的に多いため、会員数や公式アカウントの友だち数を増やしやすいのは大きなメリットでしょう。開発費用が抑えられ、新たにアプリをダウンロードするハードルを下げられる部分も魅力です。

LINEミニアプリの導入やPOSレジシステムとの連携などをお考えの方は、ぜひ一度ご相談ください。