LINEミニアプリでできることとは?解決できる課題や事例を合わせて紹介
LINE上でユーザーに自社サービスを提供できるWebアプリケーションのLINEミニアプリ。
デジタル会員証やモバイルオーダーなど、店舗運営におけるさまざまな業務効率化、顧客体験向上を図ることができるため、注目を集めています。しかし、実際にどんなことができるのか詳しくわからないという人も多いのではないでしょうか。
本記事では、LINEミニアプリで実際にどんなことができるのか、解決できる課題や活用事例も合わせて紹介します。
LINEミニアプリとは
LINEミニアプリとは、LINEを利用しているユーザーに対して企業や店舗のサービスを提供できるWebアプリケーションです。店舗運営の業務効率化やコスト削減ができるだけでなく、顧客体験の向上につながる仕組みを構築できます。
主な機能は、デジタル会員証、モバイルオーダー(店内注文・店外注文)システム、順番待ちシステムで、小売店や飲食店、美容室などを中心とした業種で導入が進められています。
LINEミニアプリは、ユーザーがサービスを利用するために別途アプリケーションをダウンロードする必要がないため、利用する際の心理的ハードルが低いことが特長です。
LINEミニアプリとLINE公式アカウントの違い
よく混同しやすいサービスとして、LINE公式アカウントがあります。
LINE公式アカウントは、企業や店舗が開設・運用できるアカウントのことです。友だち追加してくれたユーザーに対し、新着情報やクーポンなどの情報を届けられ、アカウント自体は無料で開設ができます。
一方、LINEミニアプリは、LINEのユーザーIDを取得するため、ユーザー別の購買データや利用頻度などのより詳細な情報が分析でき、その後の販促施策に有効です。
販促機能の1つとしてサービスメッセージやセグメント配信が可能となり、例えば「1回来店したユーザーに対して次回使える10%引きクーポンを送る」といった施策が打てます。
また、企業ごとにビジュアルをカスタマイズできるのでLINE公式アカウントと比較すると、企業の色を出しやすいでしょう。
LINEミニアプリとLINE公式アカウントの違いの詳細は、以下の記事をご覧ください。
関連記事:「LINEミニアプリと公式アカウントの違いとは?併用した事例も紹介」
LINEミニアプリでできること
LINEミニアプリを活用することで、どのようなサービスを提供できるのでしょうか。主なサービスについて解説します。
デジタル会員証
デジタル会員証とは、LINE上で会員証を発行・管理できる機能のことです。QRコード読み込みで簡単に会員証を発行できるだけでなく、バーコード画面を表示してポイントの付与、クーポンの発行や管理、予約機能や決済機能などをつけることも可能です。
POSシステムと連動させれば、紙やカードの会員証では難しかった顧客情報との紐づけも容易にできることが最大のメリットです。
こうした機能により、顧客管理業務がスムーズになるだけでなく、ユーザーの利用率向上やリピーターの獲得の施策を打つことができるでしょう。
また、従来の紙の会員証からデジタル会員証を発行することで、以下のようなメリットもあります。
・紙やカードの会員証を印刷するコストを削減するとともに、会員証の紛失や持ち忘れを防止できる
・顧客情報と予約機能を合わせて、予約の前日にLINE公式アカウントからメッセージを配信することで、直前のキャンセルを防止できる
・財布がかさばらなくなり、管理が簡単になることで、ユーザーの利便性が高まる
・万が一のとき、再発行手続きにおけるコストや手間がかからなくなる
現在も紙で顧客管理を行っていたり、リピーターを増やす施策を検討したりしている方は、デジタル会員証との親和性が高いでしょう。
順番待ちシステム
順番待ちシステムとは、整理券や紙の受付番号の代わりに、LINEミニアプリ上で入店の順番管理を行う機能です。
導入することで、来店客を整列させるスタッフの負担軽減や混雑緩和が期待できます。
また、ユーザーが混雑を避けて来店したり、順番が来る前にLINEでリマインド通知を送って機会損失を防いだりすることができるでしょう。
コロナ禍の影響から混雑を避けるために、入店管理の需要は増加傾向にあるといえます。
来店予約
来店予約とは、美容室や飲食店などの予約をLINEミニアプリ上で実施する機能です。
多くの競合他社を掲載している外部サイトから予約する場合、競合他社にユーザーが流れてしまう可能性があるため、LINEミニアプリ経由にて直接来店予約することで、リピーターの増加が期待できます。また、美容院であれば担当の美容師を指名したり、調剤薬局であれば処方箋を送信して事前に用意したりといったカスタマイズも可能です。
モバイルオーダー
モバイルオーダーとは、スマホやWeb上で事前に注文を受け、店舗での商品受け取りやサービスを予約できるシステムです。テイクアウトなどの店外注文だけでなく、店内からの注文(セルフオーダー)にも利用することができます。
店内注文・店外注文における概要やメリットは以下のようなものが挙げられます。
<店内注文>
ユーザーがテーブルについてQRコードを読み込むと、LINE上に注文ページが開かれ、メニューをオーダーできるシステムです。主に、飲食業界で活用されています。
店内注文では、以下のようなメリットが期待できます。
・直感的に操作できるようなデザインになっているため、幅広い年代のユーザーが使いやすい
・店員を呼ぶ手間やレジの列に並ぶ手間が減り、ユーザーの利便性向上につながる
・店舗側もスタッフが注文を取りに毎回席に行く負担や、オーダーミスなどのヒューマンエラーを減らせるほか、業務効率化につながる
<店外注文>
テイクアウトやデリバリーにおいて、LINEミニアプリから事前に商品・サービスを注文でき、スムーズな買い物ができるシステムです。主に、飲食業界や小売業、行政機関(公共施設の予約など)において活用されています。
店外注文では、以下のようなメリットが期待できます。
・事前に商品を予約してもらうことで、商品を受け取るまでのお客様を待たせる時間を軽減できる
・POSシステムと紐づけることで顧客情報を管理し、ユーザーの利便性と店舗の業務効率化を両立させ、売上アップにつなげられる
LINEミニアプリで企業側に見込める効果とは
LINEミニアプリの機能を利用することで、解決・改善が見込める企業や店舗の効果について紹介します。
詳細なユーザー分析でより効果的な販促施策が可能
LINEミニアプリでは、各ユーザーの来店頻度や購入商品などを分析し、LINEのユーザーIDと結び付けて管理できます。販売施策を決定するうえで必要な判断材料を、客観的なデータとして収集できるのです。
また、分析により絞り込んだユーザーのセグメントを作成し、LINE公式アカウントから配信するといった利用方法も可能です。
例えば、お酒屋さんでは、ワイン購入者だけ、日本酒購入者だけ、ウイスキー購入者だけといったセグメントを作成し、それぞれの嗜好に合わせたメッセージを配信できるでしょう。
サービスメッセージでユーザーのリピート率向上
LINEミニアプリを利用されているユーザーには、一定の期間内であれば「サービスメッセージ」としてお知らせや通知を送ることができます。例えば、ポイントの期限切れ、購入の通知、当選のお知らせなどです。
これらのメッセージは、LINEミニアプリのお知らせとして送信されるため、利用企業は無償で送信することが可能です。また、このメッセージはLINE公式アカウントとは無関係であるため、公式アカウントをブロックしている方にも届きます。
サービスメッセージでは、ユーザーが日ごろからよく利用しているLINEから直接アプローチでき、ユーザーとの接点を増やせるため、利用率の向上が期待できるのです。
特に「ポイントの有効期限切れ」をお知らせすると、ポイントが切れてしまったらもったいないというユーザー心理が働き、多くのユーザーの購買意欲の向上につながるでしょう。
ユーザー側の利便性向上
LINEミニアプリは、ユーザーの利便性向上に大きく寄与します。
デジタル会員証はユーザー側の紛失や持ち忘れの心配がなくなるほか、アプリを新たにダウンロードする手間が必要なくなるでしょう。
また、順番待ちシステムや来店予約、モバイルオーダーでは、LINEから簡単に事前予約ができたり、混雑を避けて来店できたりします。
待つ時間や混雑によるストレスや、手間や時間も省けるためユーザー体験の向上にもつながるでしょう。
従業員の負担軽減・人手不足への対応
特にサービス業においては、人手不足が社会的な問題となっています。そのため、顧客満足度を高めるサービスに従業員が集中できる環境をつくり、その他の付随する業務については業務効率化を目指していくことが大きな課題となっているのです。
デジタル会員証では、登録におけるオペレーションが簡略化されることが特長の一つです。アルバイトであっても簡単に手順が説明でき、手間をかけずに販促につなげることができます。
紛失や忘れに対する再発行や、別のシステムへ入力するなどの対応が必要なくなるのも従業員の負担軽減につながるでしょう。
順番待ちシステムでは、混雑を整理整頓する手間や時間を省けたり、その場を離れて待っているお客様にも簡単にリマインドが可能になったりというメリットがあります。
また、その他にもヒューマンエラーの削減や余計な工数の削減にもなるため、人手不足の解消にも効果が見込めるでしょう。
店内の混雑解消
LINEミニアプリの順番待ちシステムやモバイルオーダーなどにより、順番になるまで店外で待っていられたり、店外から事前に注文できたりすることで、店内混雑の緩和が見込めます。
また、デジタル会員証では、紙の会員証で発生していたレジや顧客管理システムに複数回入力する手間や、紛失や忘れに対する対応が必要なくなり、スタッフが拘束されてしまうことでレジが混雑するリスクも減るでしょう。
LINEミニアプリの活用事例
ベーカリーカフェ「R Baker」運営する株式会社アールベイカーでは、2022年にLINEミニアプリのデジタル会員証とLINE公式アカウントを開設しました。
これまで紙のポイントカードでの運用をしており、ユーザー属性や利用状況を把握できていなかったため、LINEミニアプリのデジタル会員証の導入により、会員数の増加を狙った事例です。
LINEミニアプリの運用を始めるにあたって、会員データとPOSレジの購買行動データを紐づけられるLINE連携システム「EDWARD」を導入しました。
会員登録時は仮会員から本会員になるという二段階構成にすることで、着実に会員登録者数を増やしていき、LINE公式アカウントとLINEミニアプリの運用開始から3カ月で、仮会員となる友だち数は1万人を突破しました。
また、LINE公式アカウントのメッセージ配信でポイント5倍の告知を配信したところ、会員数の伸びは前週比較で125%を記録するという効果につながっています。
今後は蓄積された購買データを分析し、より効果的な1to1マーケティング施策を検討しているとのことです。
「R Baker」の事例の詳細は、以下からご覧ください。
外部リンク:「LINE for Business:LINEミニアプリで効率的に会員データを取得!アールベイカーのマーケティング戦略」
LINEミニアプリを使うなら「LINE連携システムEDWARD(エドワード)」がおすすめ
先ほどの事例で導入されていたLINE連携システム「EDWARD」についてご紹介します。
EDWARDは、LINE公式アカウントの機能拡張やLINEミニアプリを構築できるクラウドサービスです。「ポイントカード機能」「オートメーション」「モバイルオーダー」など、さまざまな機能を構築できるEDWARDですが、特にデジタル会員証とPOSレジを連携させられることで、より詳細なデータを蓄積・分析が可能です。
お客様が購入する際に、ポイントを付与するためにLINEミニアプリのデジタル会員証を提示し、QRコードで読み取ることで、簡単にお客様の顧客属性や購買データがPOSレジに蓄積されます。こうして収集したデータをセグメントごとにわけることで、販促における分析に役立ちます。
また、EDWARDでは、「セグメント配信機能」により、それぞれのセグメントに適したメッセージを配信できるため、分析から施策の実施までを簡単に行えるようになっているのです。
こうした機能により、EDWARDでは、ポイントカードを利用した友だち集めからモバイルオーダーでの商品の購買にいたるまで、ユーザーの新しい購買体験を提供できるシステムを構築できます。その利便性の高さから、小売店やサービス業など幅広い業種において、導入が進んでいます。
LINE連携システム「EDWARD」の詳細は、こちらからご覧ください。
まとめ
LINEミニアプリはLINE上でサービスを提供できるWebアプリケーションであり、店舗運営の業務効率化やコスト削減ができるだけでなく、顧客体験の向上ができるサービスです。
別途アプリケーションをダウンロードする必要がなく、LINEの中で使えるためユーザーにとっても店舗にとっても導入のハードルが低いのが大きなメリットです。
LINEミニアプリを使えば、デジタル会員証や順番待ちシステム、来店予約やモバイルオーダーなどのシステムが利用できます。
デジタル会員証の導入をお考えなら、ぜひ「LINE連携システムEDWARD(エドワード)」をご検討ください。