LINEミニアプリと公式アカウントの違いとは?併用した事例も紹介

コミュニケーションツールとして老若男女に広く使われているLINE。多くの人に使われているアプリだからこそ、販促ツールとしても使いたいと思う人は多いでしょう。
LINEを使った販促方法には、「LINEミニアプリ」と「LINE公式アカウント」という2つのサービスがあります。これら2つのサービスはどう違うのでしょうか。
本記事では、これらサービスの違いやLINEミニアプリのメリット・デメリット、併用した事例についてご紹介します。
LINEミニアプリと公式アカウントの違いとは?
まずは、LINEを利用した販促方法である、LINEミニアプリと公式アカウントの違いについて解説します。
LINEミニアプリとは
LINEミニアプリとは、LINEをインストールしているユーザーが、LINE上で企業や店舗のサービスを利用できるWebアプリケーションのことです。
LINEミニアプリを介して、企業や店舗側がユーザーにサービスを提供することで、店舗運営の業務効率化やコスト削減、顧客体験の向上などが挙げられます。
飲食店や美容室、小売店などを中心とした業種において多く導入されており、提供できる主なサービスとしては、デジタル会員証、モバイルオーダー(店内注文・店外注文)システム、順番待ちシステムなどがあります。
ユーザー側のメリットとしては、サービスを利用するために別途アプリケーションをダウンロードする必要がなく、LINEの中に集約されることです。
国内において圧倒的シェアを誇るLINEを有効活用できるため、ユーザーの利便性向上につながるでしょう。
LINE公式アカウントとは
LINE公式アカウントとは、企業や店舗が運用しているLINEアカウントのことです。LINE公式アカウントを導入する目的は、ユーザーとのチャットによる関係性の構築や、新商品の告知やクーポン配布による販促などが挙げられます。
LINE公式アカウントは無料で開設でき、ユーザーに「友だち追加」をしてもらうことで、通常のLINEと同じように直接メッセージを届けられる仕組みです。
LINEミニアプリとLINE公式アカウントの違い
ここではLINEミニアプリとLINE公式アカウントの違いを3つご紹介します。
取得できるユーザーデータの違い
LINE公式アカウントとLINEミニアプリでは、取得できるユーザーデータに違いがあります。
LINE公式アカウントは、ユーザー側からは通常通り1対1のトーク画面として見ることができ、店舗側が配信したユーザー全体の既読率などの情報が得られます。
しかし、どのユーザーがメッセージを開封したかまではわからないため、取得できるユーザーデータは販促活動の判断材料としては十分とはいえません。その後どういった施策を打つかというアクションに繋げにくいでしょう。
一方、LINEミニアプリでは、LINEのプラットフォーム上にあるユーザーIDを取得することで、友だちとなったユーザーがどのようにサービスを利用しているかなど、より詳細なユーザーデータを得られます。
例えば、ユーザーIDとPOSレジと連携させることで、ユーザーの購買データを収集できます。収集したデータを、ユーザーIDと紐づけてセグメントを作成・分析することで「来店数1回の顧客に対して次回使える割引率20%のクーポンを配布する」などの施策をLINE公式アカウントから送信することができ、リピート率向上の販促活動に活用できるのです。
配信機能の有無
LINE公式アカウントでは、トーク画面からユーザーに対し、文章やスタンプをチャットで送ってコミュニケーションを計ったり、新着情報やお得な情報を送信できたりします。例えば、新商品の告知やクーポンなどを一斉配信できるため、商品・サービスの購買を促すことができるでしょう。しかし、LINE公式アカウントがブロックされてしまうと、メッセージを届けることができません。
一方、LINEミニアプリには、「LINEミニアプリからのお知らせ」として、ポイントの期限切れ、購入の通知などのサービスメッセージを送信できます。このサービスメッセージは、LINEミニアプリ独自機能であるため、LINE公式アカウントがブロックされていてもユーザーに届けられることが大きな特徴です。
こうした通知を送ることで、ユーザーに友だち再追加や、商品・サービスの再購入のきっかけをつくることができるでしょう。
LINE公式アカウントとLINEミニアプリを併用することで、より効果的な販促施策が可能となります。
ビジュアルの違い
LINE公式アカウントは、通常のLINEのトークと同じように使われるため、一般利用者同士がメッセージを送り合う画面と変わりません。
一方、LINEミニアプリは、提供する企業やパッケージによってビジュアルが異なります。サービスにあわせて、企業や店舗、ユーザーが利用しやすいようにデザインされているのです。
LINEミニアプリとLINE公式アカウントは併用がおすすめ
ここまでご紹介したように、LINEミニアプリとLINE公式アカウントでは、得意としているサービスや取得できるユーザーデータに違いがあります。そのため、2つのサービスを「何のために利用するのか」という目的を明確にし、併用して利用することがおすすめです。
具体的には、LINEミニアプリではユーザーデータの収集・分析を得意としているため、販促における施策を決定する判断材料として、インプットに活用できます。一方、LINE公式アカウントはユーザーとのコミュニケーション関係を構築することを得意としているため、販促における施策を実行する場として、アウトプットに活用できるのです。
例えば、小売店において、ポイントカードなどのサービスをLINEミニアプリで実施し、購買履歴や来店頻度などのお客様の行動データを収集することが可能です。
そのデータをもとに、LINE公式アカウントを通じて、お礼メッセージや関連商品紹介、クーポンを送ることで、リピート率を向上させたり、ユーザーの購買体験の質を高めたりが見込めるでしょう。
LINEミニアプリのメリット

それでは、LINEミニアプリを導入することで、店舗や企業はどのようなメリットを受けられるのでしょうか。ここでは、主なメリットを3つご紹介します。
ユーザーIDを分析や配信に活用できる
LINEミニアプリ内で、デジタル会員証やポイントカードなどを作成することで、ユーザーの属性情報やLINEミニアプリ内での行動に関するデータを収集できます。また、POSシステムと連動させると、購買履歴やユーザーの属性情報を紐づけられるようになります。
このようにして収集したユーザーデータを個別に確認できることがLINEミニアプリの強みです。購買意欲が高いセグメントに区分するなどの分析に活かし、ターゲットに適したマーケティング戦略に活用できるでしょう。
登録のハードルが低い
新たなアプリのダウンロードや会員登録をする必要がありません。そのため、LINEユーザーであれば、QRコードを読み込んだのち、初回認証を行うことでスムーズにサービスを受けられます。登録のハードルが低いことから、ユーザーにリーチしやすいというメリットがあります。
例えば、店頭にQRコードを記載したPOPを置いて友だち追加してもらうという簡単な手順で登録してもらえるのです。
また、LINEミニアプリを利用する際に、LINE公式アカウントの友だち追加も促せるため、両サービスを連携させた施策を打ち出しやすいのもメリットといえるでしょう。
コストを抑えやすい
各社がパッケージを出しているため、開発費用を抑えることが可能です。自社開発することもできますが、パッケージ化されたものを利用すればコストも手間も抑えられます。
また、自社の名前やメニューを入れるだけで、特別なプログラミングの知識がなくても使えることも、メリットといえるでしょう。
LINEミニアプリのデメリット
ここでは、LINEミニアプリを導入する際に、気をつけなければならないデメリットを3つご紹介します。
LINEユーザーにしかリーチできない
LINEミニアプリは、LINE上で利用するアプリケーションであるため、LINEを使っていないユーザーにはリーチできません。また、スマホを紛失するなどしてLINE IDが変わると、会員証も再発行しなければならないというデメリットはあります。
ただし、LINEは2020年9月末時点で、国内の月間アクティブ数が85%にものぼる、日本における最大手のSNSです。LINEを利用したサービスに抵抗感がなければ、多くの人にリーチできるでしょう。
独自性が出しにくい
パッケージ版を利用する場合、コストは抑えやすい反面、一般的な店舗アプリ(ネイティブアプリ)のように店舗の独自性を出しにくいというデメリットがあります。また、LINEというプラットフォーム上で運用するため、機能上の制限がある場合も考えられるでしょう。
そのため、LINEミニアプリを運用する目的を明確にし、他サービスとのすみ分けをしたうえで導入することが大切です。
LINEミニアプリとLINE公式アカウントを併用した事例

ここでは、LINEミニアプリとLINE公式アカウントを併用したことで、会員数の増加につながった成功事例を紹介します。
ベーカリーカフェ「R Baker」運営する株式会社アールベイカーでは、2022年にLINEミニアプリでポイントカード機能を備えたデジタル会員証とLINE公式アカウントの運用をスタートしました。
これまで、簡易的なスタンプカードを発行していたものの、ユーザー属性や利用状況を把握できていませんでした。そこで、ユーザーの年齢層が幅広く、登録する手間もほとんどないLINEミニアプリとLINE公式アカウントの導入により、会員獲得効果を狙った事例です。
その際、POSレジと連携させて会員データとPOSレジの購買行動データを紐づけられるLINE連携システム「EDWARD」を導入しました。
ユーザー側の心理的ハードルを下げるべく、QRを読み込むだけで仮会員登録ができ、ポイントを活用する際に本会員になるという二段階構成にすることで、着実に会員登録者数を増やしていきました。
こうした施策の結果、LINE公式アカウントとLINEミニアプリの運用開始から3カ月で、仮会員となる友だち数は1万人を突破し、LINE公式アカウントのメッセージ配信でポイント5倍の告知を配信したところ、会員数の伸びは前週比較で125%を記録するという効果につながっています。
LINEミニアプリの導入によって1to1でより効果的なマーケティング施策を展開できるようになり、今後も、「一定の金額以上を購入していただいた方に割引クーポンを配布」するなどの施策を展開していきたい、という展望があるそうです。
「R Baker」の事例の詳細は、以下からご覧ください。
外部リンク:「LINE for Business:LINEミニアプリで効率的に会員データを取得!アールベイカーのマーケティング戦略」
LINEミニアプリとLINE公式アカウントを連携するなら「LINE連携システムEDWARD(エドワード)」
先ほどの事例で導入されていたLINE連携システム「EDWARD」についてご紹介します。
「EDWARD」は、LINE公式アカウントの機能拡張やLINEミニアプリを構築できるクラウドサービスです。主に「ポイントカード機能」「オートメーション」「モバイルオーダー」の3つの機能を兼ね備えています。
・ポイントカード機能
ポイントカードをデジタル化することで、顧客にとって利便性が増すだけでなく、企業にとっても顧客管理できるようになり、リピーター化するための施策を練る判断材料となります。
・オートメーション
顧客との接触機会を増やすメッセージをマーケティングオートメーションとして登録者の誕生日などに自動配信することで、販促につなげられます。
・モバイルオーダー
販売チャネルとして活用できます。トーク画面に商品カタログを表示させられるため、ユーザーの購買意欲を高められるでしょう。また、キャッシュレス決済ができるため、ユーザーの利便性を損ねません。
これらの機能により、ポイントカードを利用した友だち集めからモバイルオーダーでの商品の購買にいたるまで、ユーザーの新しい購買体験を提供できるシステムを構築できます。その利便性の高さから、小売店やサービス業など幅広い業種において、導入が進んでいます。
LINE連携システム「EDWARD」の詳細は、こちらからご覧ください。
まとめ
LINEミニアプリはLINE内で動くWebアプリケーションであり、店舗運営の業務効率化やコスト削減ができるだけでなく、顧客体験の向上ができるサービスです。一方、LINE公式アカウントはユーザーと1対1のトーク画面を使い、ユーザーとコミュニケーションをとったり、新商品の告知やクーポンの配信が行えたりします。そのため、どちらかを使うのではなく、両方を併用するのがおすすめの使い方です。
「LINE連携システムEDWARD(エドワード)」では、LINEミニアプリによるデジタル会員証と、LINE公式アカウントによるクーポン配信などを組み合わせて使うことができます。LINEミニアプリやLINE公式アカウントを使って販促を行おうと考えているなら、ぜひ一度お気軽にご相談ください。